ワークフローシステム導入でよくある失敗~なぜ制度は定着しないのか?「導入したはずなのに使われない」組織で起きていること~
ワークフローシステム導入後、制度が形骸化する理由とは?
ワークフローシステムを導入したにもかかわらず、次のような声が現場から上がることは珍しくありません。
- 「せっかく作ったのに、現場が使ってくれない」
- 「一部では運用されているが、他部門は従来の方法のまま」
- 「承認ルートが複雑で、途中で止まってしまう」
- 「手間が増えただけで、むしろ非効率になった」
こうした状況に共通するのは、システムは導入されたが、制度としての“定着設計”がなされていないという点です。
ワークフロー導入=制度が回る、ではない
導入時の設計フェーズで以下のような過信が起こりがちです。
よくある思い込み | 実際に起こること |
ルートとフォームを整備すれば制度化できる | 現場で使われなければ“絵に描いた餅”に |
マニュアルを配れば定着する | 誰も読まない/読んでも覚えられない/個別運用が横行する |
テンプレートを配れば誰でも使える | 部門ごとにローカル改変が進み、全社標準が崩れる |
このように、制度の導入と制度の定着はまったく別のフェーズであり、制度として根付かせるには「現場の行動を促す仕組み」が欠かせません。
制度が「定着しない」組織で実際に起きていること
① 属人化:制度のルールが「担当者の頭の中」にある
- 承認ルートの変更や例外処理が、一部の社員にしか分からない
- 担当が異動・退職した途端に運用が止まり、引き継ぎできない
- フォームの構成や通知条件などが“独自流儀”で設計され、誰も触れなくなる
属人運用は制度のブラックボックス化を招き、長期的に制度崩壊の原因になります。
② 通知・リマインドの不足:使い忘れ・出し忘れが常態化
- 通知がメールのみで見逃されやすい
- 提出期限の設定がなく、ルートが滞留したまま放置される
- リマインド設定が運用任せで、対応が後手に回る
「通知しなくても使ってくれる」という前提自体が危険です。
制度を定着させるには、“忘れさせない”設計が必要です。
③ テンプレートの乱立・ルールの形骸化
- 同じ稟議書なのに、部署ごとに異なるフォームを使用
- 保存先・保存形式がバラバラで、台帳が崩れる
- 承認ルートの設定が各部門に委ねられ、“ショートカット承認”が常態化
一見便利に見える自由度は、制度を壊す大きなリスクにもなります。
④ 例外対応・口頭決裁が放置されている
- イレギュラーな案件を口頭で承認し、その後「形式だけ」申請
- システムで処理できないフローは“Excel+メール”で進行
- ワークフローが“表面上の手続き”でしかなく、実態と乖離している
「形式上は通っているが、記録として意味がない」状態では、監査・法令対応・内部統制の観点から問題が残ります。
制度定着の第一歩は、「システムと現場の距離を埋めること」
ワークフローシステムを導入しただけで制度が定着することはありません。
むしろ、制度を“使わせる”“守らせる”ための以下のような仕掛けを組み込む必要があります。
視点 | 必要な仕組み |
提出を促す | 提出依頼機能/定期通知/未提出リマインド |
守りやすくする | テンプレート化/ガイド付きフォーム/ポリシーベース設計 |
崩れないようにする | 権限制御/変更履歴の保存/例外処理ルートの統制 |
改善し続ける | フィードバック収集/設定の継続的見直し体制 |
まとめ
- ワークフローシステムは、導入しただけでは制度は定着しない
- 属人運用・通知不足・テンプレ乱立・口頭決裁などの“運用の穴”が制度崩壊を招く
- 制度を使わせるには、“守らせる”のではなく“守れるように設計する”必要がある
- ジュガールでは、これらの制度崩壊リスクに対して、「現場で自然に制度が守られる」設計思想を標準で実装している
導入前にやるべきこと①:制度の可視化と棚卸し
~「どんな手続きがあるか分からない」状態では、制度化は始まらない~
ワークフローシステム導入の第一歩は、「制度の棚卸し」から
ワークフローシステムの導入にあたって、「まず稟議フローを作ろう」「とりあえず経費精算から着手しよう」といった具合に、目の前の課題からスタートするケースは多くあります。
しかし実際には、自社内でどのような申請・手続きが存在しているのかを整理できていない企業も少なくありません。
何を電子化するのか?
その業務は、誰が起案し、誰が承認し、どこに残しているのか?
この問いに答えられない限り、制度としての設計は始まりません。
なぜ制度の“可視化”が必要なのか?
制度が明文化されていても、次のような状態では、運用が属人的・場当たり的になり、システム導入の前提が崩れてしまいます。
状況 | 問題点 |
手続きの流れが部門ごとに異なる | 稟議ルート、報告手段、保存先が標準化されていない |
同じ内容の申請が複数のフォーマットで存在 | 契約稟議A、契約稟議B…現場による変種テンプレが乱立 |
文書の保存場所が不明 | PDF、紙、メール、クラウドなどが混在し、監査対応に苦労 |
“誰が承認すべきか”が人によって違う | 規程と実態が一致せず、承認が属人化/ショートカット化している |
このような状態では、ワークフローシステムを導入しても、「制度が回らない」「使われない」という結果になりがちです。
制度を棚卸しする際のチェック観点
導入前の棚卸し作業では、単に文書名や申請様式を集めるだけでなく、その業務がどう流れているか、どんな制度上の要件があるかを合わせて確認する必要があります。以下は主なチェック観点です。
観点 | 確認すべきポイント |
文書の種類 | 稟議、支払申請、出張報告、契約稟議、備品購入、日報、休暇申請など |
起案者/使用部門 | 誰がどの部署で使用しているか。業務によって利用部門が異なるか |
承認ルート | 誰が、どの条件で承認しているか。役職ベースか、金額ベースか、両方か |
フォーマット | 複数のテンプレートが存在していないか。内容がバラバラになっていないか |
保存ルール | どこに/何年保存しているか。削除ルールはあるか。ログは残っているか |
現場での実運用 | 実際にはExcel・メール・口頭・Slackなどで運用されていないか |
棚卸しで判明しがちな“制度の断片化”
可視化を進めると、多くの企業で次のような“制度の断片化”が表面化します。
- A部門では正式な稟議書を使っているが、B部門では「見積書+メール」で済ませている
- 本来は課長→部長→役員の承認フローが必要なのに、「急ぎだから部長だけで回した」事後処理が常態化している
- 承認された文書の保存先が個人のローカルフォルダ/部署ごとのクラウド/紙のファイルキャビネットと混在
このような“制度のばらつき”は、システム導入前に浮き彫りにし、「どこを標準化し、どこを柔軟に残すか」を判断する材料とすることが重要です。
ジュガールが提供する「制度分類」「テンプレ整備」の支援
ジュガールでは、導入時に次のような棚卸し支援・制度設計支援を提供しています。
- ヒアリングテンプレート(文書種別・使用部門・ルート・保存要件などを一覧化)
- 制度種別マッピング(規程と実態のギャップを見える化)
- 制度別テンプレート(初期設計済み:稟議・報告・支払・契約 等)
- 「見積→稟議→契約→発注→支払」など、業務の連続性を意識したテンプレの整理と導線整備
文書単位ではなく、「制度のつながり」をベースに棚卸しと整備を行うことで、単発の申請フォームではなく、“制度全体をつなぐワークフロー”が実現できます。
まとめ
- ワークフロー導入前には、「何が制度化され、何が属人運用なのか」を可視化・棚卸しすることが必須
- 文書の種類、承認ルート、保存ルール、実運用の乖離などを明確にし、標準化と柔軟運用の境界を整理
- ジュガールでは、制度棚卸しからテンプレート提供まで一貫した支援により、“制度を設計できる状態”をつくるところからサポートしている
導入前にやるべきこと②:現場ヒアリングと運用実態の把握~「制度どおりに動いていない」現実を見つめる~
制度は「規程どおり」でも、運用はそうとは限らない
制度が社内規程として整備されていても、その運用が現場でどれだけ守られているかは、別問題です。
ワークフローシステムを導入する際には、単に「制度をシステム化する」のではなく、現場で本当に行われている運用実態を把握したうえで設計することが不可欠です。
なぜヒアリングが必要なのか?
表面上のフローだけでシステムを設計してしまうと、以下のような“想定外”が後から明らかになります。
想定と現実のギャップ | 例 |
承認ルートが違う | 規程では課長→部長→役員だが、実際は部長がまとめて承認している |
フォーマットが統一されていない | 各部門で独自のExcel様式を使っており、申請内容がバラバラ |
書類の保存方法が違う | 経理はファイルサーバ、営業はクラウド、総務は紙ベースで保存 |
そもそも制度が使われていない | 手続きが煩雑すぎて、メール+口頭承認で回っている業務がある |
このような運用実態は、規程やマニュアルでは把握できない領域であり、現場からのヒアリングを通じて「制度と実態のズレ」を可視化する必要があります。
現場ヒアリングを行う際の具体的な観点
現場ヒアリングでは、以下のような観点から、制度と実態のギャップを構造的に洗い出すことが重要です。
ヒアリング項目 | 具体的な質問例 |
申請の起案方法 | 実際には何を使って申請していますか?Excel?メール?口頭? |
承認フローの実態 | 誰が承認していますか?規程通りですか?途中で省略されていますか? |
例外処理の頻度 | 特別なルートや緊急対応、非定型ケースはどれくらいありますか? |
書類の保管場所 | 承認された書類はどこに保存していますか?ローカル?クラウド?紙? |
フォーマット運用 | フォームは標準化されていますか?部署によって違いがありますか? |
このような視点でヒアリングを行うことで、「設計時の前提と、現場での実運用の差」が明確になります。
ヒアリング結果を制度設計に落とし込むには?
単に「現場の声を聞いた」で終わらせず、制度設計に活かすには、以下のような整理が有効です。
- 【標準化すべき領域】
→ 全社統一ルールを適用。フォーム/ルート/保存形式を揃える。 - 【柔軟性を持たせる領域】
→ 部門ごとのカスタマイズを許容(ただしテンプレートや制御あり)。 - 【例外処理が多い領域】
→ フロー内に例外処理ルートを事前設計。ポリシー分岐で対応可能に。
このような“制度ルールの現実解”をヒアリングから設計に反映することが、単なる「ワークフロー導入」ではなく、「制度を本当に動かす仕組み」を実現します。
まとめ
- ワークフロー設計においては、「規程どおりに動いている前提」で設計してはならない
- 制度は形式だけでは定着しない。現場で“実際にどう動いているか”を把握して初めて、制度設計が可能になる
- ジュガールは、現場実態に基づいた制度設計支援を通じて、「動かない制度」ではなく「動かせる制度」の導入を支援している
移行プロセスの設計:スモールスタートと段階導入のすすめ~全社一斉リリースで失敗するワークフロー導入を避けるために~
成功している企業の共通点は、「段階的に制度を動かしている」こと
ワークフローシステムの導入を検討する際、「全社導入」「一斉切り替え」といったスケール感で計画が立てられることがあります。
しかし現実には、以下のような導入直後のトラブルが頻発します。
- 「操作方法が分からない」という問い合わせが殺到
- 部署によって制度が理解されておらず、混乱や反発が起きる
- 現場から「こんな制度、現場実態に合っていない」と苦情が上がる
- 承認ルートや文書保存の運用が各所で止まってしまう
これらはすべて、「設計通りに現場が動く」という前提が崩れたことで起きるものです。
制度は、動かしながら設計を整えるもの。
小さく始めて、うまくいったやり方を横展開する方が、定着は速くなります。
なぜスモールスタートが効果的なのか?
理由 | 解説 |
現場の反応を見ながら調整できる | 実運用によって見えてくる“想定外”に柔軟に対応可能 |
成功パターンをテンプレート化できる | 最初に定着したフローや設計を、他部門にコピーして展開できる |
社内理解を得やすい | 「一部門で成功している」という実績が説得力を持つ |
想定外のトラブルが全社に波及しない | 不具合や設計ミスが局所的で済み、被害を最小化できる |
スモールスタートの具体的な進め方
ワークフロー導入をスムーズに進めるためには、「小さく始めて広げる」ことが基本です。
以下は、スモールスタートを成功させるための実務的な進め方です。
ステップ①:導入対象の優先順位を決める
- 全社一斉導入ではなく、「制度の重要性 × 対象文書の標準化のしやすさ」で導入順を決める
- 例
・「経費精算」「出張申請」など、汎用性が高く対象者が多い制度
・「稟議」「契約」など、ガバナンス上重要な制度から先に設計
ステップ②:モデル部門・文書でテスト導入を行う
- 部門単位・制度単位でパイロット導入を実施し、実運用に耐えるかを検証
- 問題が起きた場合は即時修正/リリース停止ができるように、テストフローと本番フローを分けて運用
ステップ③:成功パターンをテンプレート化する
- 現場でうまく運用された制度設計(フォーム・ルート・通知・保存など)をテンプレート化
- 他部門や他拠点に「このテンプレートを使えば制度に準拠できる」という形で共有・展開
ステップ④:全社への段階展開と社内理解の醸成
- 実績を社内に共有:「A部門でこんな成果があった」→説得材料に
- 導入説明会/Q&A対応/初期運用サポートなどで制度の“習慣化”を支援
ジュガールの段階導入支援メニュー(導入例)
ジュガールでは、スモールスタートを前提とした導入支援を提供しています。
支援メニュー | 内容 |
制度棚卸し+導入順設計 | 各文書・手続きの重要度・導入しやすさを分析し、導入優先順位を設定 |
パイロット設計支援 | モデル部門・代表制度を対象に設計テンプレートを一緒に作成 |
テスト運用+検証期間 | 実運用に近い形で仮導入→現場フィードバックを収集して改善 |
テンプレ展開支援 | 成功パターンを全社にコピー展開/設定代行・教育支援も対応可能 |
まとめ
- ワークフロー導入は、「設計」よりも「動かしながら整える」ことが成功のカギ
- スモールスタートと段階導入によって、現場の不安を抑えつつ、制度の浸透と標準化を実現できる
- ジュガールは、制度の優先順位設定、モデル設計、テンプレ共有といった導入プロセスを、制度そのものと一体化して支援している
導入直後にすべきこと:定着のための“習慣化”支援(前半)~システムは導入しただけでは使われない~
ワークフローが“形だけ”で終わってしまう組織の共通点
ワークフローシステムを導入しても、制度が現場に定着しない理由の多くは、導入直後の対応にあります。
以下のような状態が放置されると、制度が使われない、ルールが守られないという悪循環に陥ります。
状況 | 起きやすい問題 |
操作方法が共有されていない | 「使い方が分からない」と放置/旧運用に戻る |
提出が“気づいた人だけ”になっている | 「出し忘れ」「申請漏れ」が常態化する |
トラブル時の問い合わせ先がない | 現場の不満が蓄積/制度そのものが嫌われる |
制度は、「守らせる」ものではなく、「守りやすくする仕掛け」があってこそ運用されます。
特に導入直後は、“現場の行動を引き出す設計”が必要不可欠です。
習慣化支援のポイント
① 「通知される」から「提出する」が自然になる構造を作る
- 提出依頼機能を活用し、必要な人に、必要なタイミングで通知
- チャット連携(LINE WORKS、Teamsなど)により、アクションを即時促す
- 通知の中に「申請へ進む」ボタンを設置し、ワンクリックで申請画面へ誘導
② “忘れられない”工夫をシステム側で担保する
- 提出期限を設定し、リマインド通知を自動配信
- 一定期間未処理の申請に対して、「差し戻し」「停止」「強制通知」などのアクションを用意
- 「出さなければ進まない」構造を制度の一部として設計する
現場の不安を取り除く「運用支援設計」が必要
制度の使い方が分からない/ミスが怖い/誰に聞けばいいか分からない──
こうした現場の心理的なハードルを取り除くことも、定着には不可欠です。
① Q&A対応の仕組みを用意しておく
- システム操作に関する質問に即時回答できる「ヘルプ窓口」や「社内チャット対応」を準備
- FAQや操作ガイド動画を事前に整備し、「よくある質問」を可視化
- 問い合わせ履歴を蓄積し、制度改善やテンプレ更新の材料に活かす
② トラブル・例外時のルートを明示する
- 「こんなときはどうする?」に対して、想定ルート・連絡先・代替手順を事前に用意
- 例外対応(例:緊急発注、口頭承認など)を制度内に“逃げ道”として仕組み化
- 制度運用の“安心感”が導入後の定着率を左右する
ジュガールが提供する導入後の習慣化支援
ジュガールでは、制度を“使ってもらう”ために、導入直後に以下の支援を組み込んでいます。
支援項目 | 内容 |
提出依頼機能 | 提出対象者を指定して、リマインドとあわせて通知/履歴で提出状況を確認 |
チャット通知連携 | LINE WORKS、Microsoft Teamsとの連携で、申請・承認をチャットから即操作 |
既読管理付きお知らせ | 通達・制度変更の見逃しを防ぎ、「読んだ/読んでいない」がログで把握可能 |
社内FAQの一体運用 | Q&A形式のナレッジを業務フローに連動表示/現場の疑問を即時解消 |
制度は「守らせる」より、「自然に守れるようにする」
ワークフローシステムは、申請ルートや帳票の仕組みだけで制度を成り立たせるものではありません。
制度とは、使って初めて意味がある。
習慣化して初めて、“制度がある”と言える。
ジュガールは、「守るのが難しい制度」ではなく、“守りやすく、続けやすい制度”の定着支援を制度設計と一体化して提供しています。
まとめ
- 制度は“導入して終わり”ではなく、“使われて初めて制度”
- 提出依頼/通知/リマインド/FAQ対応など、現場が“動き出す仕掛け”を導入初期から組み込むことが定着のカギ
- ジュガールでは、制度の導入・定着・習慣化をトータルで支援し、制度を“自然に運用されるもの”として根付かせている
制度を「育てる」ための運用改善の仕組みとは? ~制度は「設計して終わり」ではなく、「育て続けるもの」~
導入して終わりでは、制度は古びていく
多くの企業では、ワークフローシステムを導入して制度設計を行ったものの、数年後には次のような課題が顕在化します。
時間の経過とともに起こる現象 | 説明 |
規程改定が反映されていない | フォームやルートが古いまま運用され続ける |
使われないテンプレートが残っている | 初期導入時の設計が形骸化し、現場が別手段で回し始める |
承認ルートが複雑化・分岐が増えすぎて混乱 | 改修の履歴がないため、制度の全体像が不透明になる |
制度とは、“一度作って終わり”ではなく、“使いながら改善されていく”ものです。
そのためには、制度を育てるための運用改善サイクルを最初から設計しておく必要があります。
制度改善は、「フィードバックの蓄積」から始まる
現場から制度改善につながる意見が上がらない組織では、次のような構造が存在しています。
- フォームやルートに対する「違和感」や「やりづらさ」が放置される
- 例外処理が裏ルート化し、本流の制度が使われなくなる
- 設定変更の責任者が曖昧で、誰もメンテナンスをしない
このような状態を避けるには、まずは制度改善の「受け皿」と「プロセス」を明確化する必要があります。
制度改善を支える「仕組み」の設計ポイント
制度を育てるには、個人の頑張りではなく、改善が自然に起こる仕組みが求められます。以下は、制度を継続的に見直すための代表的な仕組みです。
① フィードバック収集の導線をつくる
- フォーム画面・通知文の末尾に「使いづらい点があればこちらへ」など、改善要望の導線を設置
- 社内FAQページや問い合わせフォームを通じて、ユーザーからの声を収集
- Q&Aの蓄積から「よくある困りごと」を可視化
② テンプレートの更新履歴と管理体制を整える
- フォームやルートの修正履歴を自動記録し、「いつ・何が・なぜ変わったか」が分かる状態に
- 古いテンプレートが放置されないよう、定期棚卸しの仕組みを運用上に組み込む
③ 部門ごとの「運用責任者」を明確にする
- 各部門に制度運用の窓口担当(例:制度リーダー)を配置
- フィードバックの取りまとめや、テンプレートの見直し、改善点の検討を担う
- 全社制度との整合性を確認する“運用改善委員会”のような体制を作ることも有効
ジュガールが提供する運用改善支援のしかけ
ジュガールでは、「導入後が勝負」という考えのもと、以下のような運用改善支援を行っています。
支援メニュー | 内容 |
改善要望フォーム | フォーム設計や通知の使い勝手に関するフィードバックを申請画面から直接送信可能 |
テンプレートの世代管理 | テンプレートにバージョン管理を適用/古いものは非表示・アーカイブ処理 |
まとめ
- 制度は、導入した瞬間が完成ではない。“改善し続ける設計”があってこそ制度は生き続ける
- フィードバック、更新履歴、テンプレート整備、運用体制など、制度を育てるための仕組みをあらかじめ整えておくことが定着のカギ
- ジュガールは「回せる制度」を「育てられる制度」へ進化させる支援を、設計・仕組み・導入後サポートの3点から提供している