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経費精算の不正は必ず発覚する|法律・税務・刑事リスクから徹底解説する不正防止ガイド

経費精算における不正を防ぐ方法
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目次

この記事のポイント

  • 経費精算の不正は「内部ルール違反」にとどまらず、税務否認・重加算税・詐欺罪や文書偽造罪などの刑事罰に直結する高リスク行為である。
  • 仮払金の放置、証憑の不備、領収書の偽造・流用は税務調査で必ず確認され、不正は小額でも発覚しやすい。企業は規程整備・承認フローの透明化・証憑管理の統一が必須。
  • ジュガールを活用することで、申請・証憑・履歴の一元管理や二重計上の自動チェック、仮払金の管理が実現し、不正リスクを実務レベルで大幅に低減できる。

経費精算の不正は、「少額だから大丈夫」という問題ではありません。
虚偽の申請や証憑不備は、税務調査でほぼ確実に見つかり、否認・追徴課税・重加算税だけでなく刑事罰につながる可能性がある重大な行為です。

特に、仮払金・立替金・紙の領収書管理は不正の温床になりやすく、税務署も重点的に確認します。内部統制が弱い企業ほど不正が起きやすく、また発見が遅れがちです。

本記事では、

  • 法律・税務上のリスク
  • 税務調査で重視されるポイント
  • 企業が取るべき不正防止策
    を整理しつつ、仕組み化によるリスク削減までわかりやすく解説します。

経費精算に関わる主要な法律と税務ルール

法人税法

法人税法では「事業に必要な支出」でなければ損金として認められません。
虚偽の経費や私的利用を計上すると損金不算入となり、追加の税額が発生します。
悪質なケースは重加算税の対象にもなります。

消費税法

仕入税額控除を受けるには、「正しい証憑」が必要です。
領収書の不備、偽造、金額の不一致があると、消費税の控除自体が否認される可能性があります。

会社法

会社法は帳簿書類を適切に保存し、内部統制を維持することを求めています。
証憑の紛失や不備は、内部統制の欠如とみなされ、会社としての管理体制そのものが問題視されます

電帳法(電子帳簿保存法)

領収書・請求書を電子保存する場合、要件を満たさない保存方法は「不備」と扱われます。
電子データの改ざんは刑事罰に該当する可能性もあり、非常にセンシティブな領域です。

経費精算不正が税務調査で発覚する理由

経費精算の不正は、税務調査で高い確率で見つかります。
理由は明確で、税務署が重点的に確認するポイントが、企業で不正が起きやすいポイントと完全に一致しているからです。

仮払金・立替金の残高は必ずチェックされる

税務調査では、まず「仮払金の残高」を見られます。
数か月以上精算されていない残高は、不正の典型的なサインと判断されやすく、私的流用や架空経費を疑われる要因になります。

不自然な支出パターンは目立つ

特定社員だけ金額が大きい、頻度が異常、同一店舗のレシートが繰り返し提出される——
こうしたパターンは調査官が非常に敏感に反応するポイントです。

証憑不備は最初に突っ込まれる

領収書の宛名・日付・金額・用途に不自然さがある場合、すぐに確認対象になります。
特に、写真の再利用や金額改ざんは即アウトで、税務リスクだけでなく刑事問題に発展する可能性もあります。

過年度との比較で不正は露呈しやすい

税務署は過年度の申請履歴も比較するため、

  • 二重計上
  • 同一金額の繰り返し
  • 特定時期だけ突出した支出
    などはすぐに指摘されます。

経費精算の代表的な不正パターン

経費精算で実際に発生する不正は、どの企業でも似た傾向があります。
ここでは、税務調査で特に問題視される代表的なパターンを整理します。

架空経費

実際には発生していない経費を、もっともらしい名目で申請する不正です。
領収書も虚偽のものが使われることが多く、詐欺罪私文書偽造罪に該当する可能性があります。

私的利用の混在

プライベートで利用した交通費・飲食費などを業務名目にすり替えて申請する行為です。
税務上は「損金不算入」とされ、悪質な場合は重加算税の対象になります。

二重計上

同じ経費を別の日付で申請するパターンです。
故意・過失を問わず税務調査で必ず判明します。
故意であれば詐欺罪に問われる可能性もあります。

金額の水増し

レシートの金額を書き換える、人数を偽るなどの不正です。
領収書の改ざんは、それ自体が文書偽造罪の対象となり、刑事処分の可能性が高まります。

領収書の偽造・流用

画像編集や他人の領収書の流用など、極めて重大な不正です。
「使用した時点」ではなく、偽造した時点で犯罪が成立する点に注意が必要です。

仮払金・立替金の放置

未精算の仮払金を数カ月〜数年残す行為は、税務署が最も疑うポイントです。
私的流用と判断され、横領罪が成立する危険もあります。

経費精算の不正に課される主な刑事罰

経費精算の不正は、企業内部の規律違反ではなく刑事事件として扱われることがあります。

今回はよく問題となる行為を表にまとめました。

行為の例該当しうる罪名内容法定刑
架空の経費を申請し、会社から金を受け取る詐欺罪(刑法246条)嘘の申請で会社をだまして金銭を得る行為10年以下の懲役
実際より高い金額で申請する(水増し)詐欺罪(刑法246条)過大請求により不正に金銭を得る10年以下の懲役
領収書を改ざんする、金額を書き換える私文書偽造罪(刑法159条)領収書などの証憑を偽造・改変した時点で成立5年以下の懲役
他人の領収書を流用する有印私文書偽造罪(刑法159条)本来の名義ではない文書を故意に使う不正5年以下の懲役
偽造した領収書を提出する偽造文書行使罪(刑法161条)偽造・改ざんした証憑を使用する行為5年以下の懲役
仮払金・立替金を精算せず私的に使用横領罪(刑法252条)会社の金を勝手に使用する行為5年以下の懲役 または 50万円以下の罰金
役職者が会社の金を不正に使う業務上横領罪(刑法253条)職務上預かった金を不正使用10年以下の懲役
電子データの証憑を改ざんする電磁的記録不正作出罪(刑法161条の2)電子データ上で虚偽記録を作成・変更5年以下の懲役

>>「e-Gov法令検索」より参照

経費精算不正による税務リスクについて

経費精算の不正は、刑事罰だけでなく 税務面で大きな損失を生む ことが最大のリスクです。
税務調査では、証憑の不備や虚偽申請は必ず指摘され、場合によっては過去数年分にわたって遡って修正が求められます。

ここでは、企業が特に注意すべき税務リスクを詳しく解説します。

損金不算入(法人税が増える)

経費として認められるには、次の条件が必要です。

  • 実際に支出がある
  • 事業のために必要な支出
  • 証憑が適切に保存されている

虚偽申請・私的利用・不正な領収書が含まれる支出は、これらに該当しません。
その結果、税務調査で否認され 法人税の課税所得が増える ことになります。

よくある否認パターン

  • 架空のタクシー代
  • 私的な飲食費を「会議費」と偽装
  • 金額を水増しした領収書
  • 不自然な仮払金の残高

税務署はこれらを「経営者・従業員の個人的支出」と判断することがあります。

追徴課税(追加で支払う税金)

否認された経費に対しては、追加で税金が発生します。

  • 法人税
  • 地方法人税
  • 住民税
  • 事業税

複数の税金が連動するため、追徴額は元の経費よりも大きくなることがあります。

重加算税(最大35〜40%)

虚偽経理・隠ぺい工作など、悪質と判断された場合に課される非常に重いペナルティです。

重加算税の対象となりやすいケース

  • 領収書の偽造・加工
  • 他人の領収書の流用
  • 経費の意図的な二重計上
  • 私的利用の隠蔽
  • 承認者と申請者が結託した不正

重加算税は本税に対して 35~40% の割合で課されるため、企業にとってのダメージが大きくなります。

過年度にさかのぼる修正申告

税務調査では、通常 3年分 をチェックしますが、不正が疑われれば 最長7年分 に遡って調査が行われます。

つまり、単年度の不正でも 過去7年間の経費が精査対象 となり、
複数年にわたって否認と追徴税が発生するケースがあります。

仕入税額控除の否認(消費税)

消費税の申告において、経費にかかる消費税を控除するには次の要件があります。

  • 領収書・請求書が正しい
  • 電子保存が適切
  • 不正や不備がない

不備がある場合、経費として認められても 消費税控除だけが否認される ことがあります。
消費税額は大きいため、否認されると企業への影響は非常に大きいです。

仮払金の否認

仮払金は税務署が必ずチェックする重点項目です。

  • 数ヶ月精算されていない
  • 金額が不自然に大きい
  • 同じ人物の仮払金が常に残っている

精算されていない仮払金は、税務署から
「実際には存在しない支出=損金ではない」
と判断されやすく、否認されます。

※悪質な場合は、個人による横領行為として刑事罰に発展する可能性もあります。

帳簿保存義務違反(会社法・法人税法)

領収書・申請書・承認記録などは一定期間の保存が義務付けられています。

保存期間の例

  • 法人税法:7年
  • 消費税法:7年
  • 会社法:10年
  • 電帳法:電子保存は要件遵守

証憑が散逸している場合、

  • 経費が否認される
  • 内部統制の欠如と判断される
    可能性が高くなります。

税務調査への対応コストも増える

不正や証憑不備が多い場合、税務調査の期間が延びます。

  • 調査官との折衝
  • 過去データの準備
  • 調査資料の説明
  • 修正申告の作成

これらにかかる担当者の工数は非常に大きく、実質的な損失と言えます。

不正防止のための基本施策

不正を「起きた後」に発見するのは遅く、コストもリスクも大きくなります。
重要なのは、仕組みとして不正が起きにくい環境をつくることです。

経費規程の整備(税法基準で明確化)

  • 経費対象・除外項目
  • 上限金額
  • 仮払金の精算期限
  • 証憑に求める要件

これらを明確に定め、曖昧な余地をなくすことで、不正の発生を抑えられます。

証憑の厳格管理

  • 電帳法要件に基づく管理
  • 領収書の必須ポイントを統一(店舗名、日付、金額、用途など)
  • 証憑の再利用を防ぐ仕組み

証憑の管理精度が高いほど、不正や見落としが減ります。

承認フローの透明化

  • 承認ルートの見直し
  • 一名承認の回避
  • 金額・部門で自動的にルートが分かれる仕組み
  • 承認者の固定化を防止

透明性の高い承認フローは、不正の抑止力になります。

内部監査の強化

  • ランダムチェック
  • 高頻度申請者の確認
  • 仮払金・立替金の月次チェック
  • 過去データの突合

定期的に監査を行うことで、不正の早期発見と再発防止につながります。

システムによる不正防止の仕組み化

経費精算の不正を防ぐうえで最も効果的なのは、人のチェックに依存しない仕組みを導入することです。
システムを利用することで、内部統制を強化し、申請・承認・証憑管理まで一元化できます。

申請・証憑・履歴の一元管理

経費申請、領収書、承認履歴が一か所にまとまることで、
過去の申請との整合性が簡単に確認できます。
税務調査で求められるデータも即時に提示でき、調査対応がスムーズです。

二重計上や不備の自動チェック

手作業では見落としやすい

  • 金額の不一致
  • 同一日付・同一金額の二重申請
  • 必須項目の入力漏れ
    などを自動でチェックできます。
    不正・ミスは早期に防ぐほどダメージが小さくなります。

仮払金・立替金の消し込み管理

仮払金は「長期間残る=リスク」と判断されやすい項目です。
システムによって自動的に消し込み管理がされるため、

  • 放置
  • 精算漏れ
  • 管理の属人化
    を防げます。

証憑画像の紐付け

証憑が申請データとセットで保存されるため、
改ざん防止や再利用の防止につながります。
電子帳簿保存法の要件にも対応しやすくなります。

Teams連携による運用性の向上

提出、差し戻し、承認結果をリアルタイムで通知できるため、
業務の流れが止まりません。
提出漏れの防止にも効果があります。

よくある質問(FAQ)

Q1. 不正が小額でも刑事事件になりますか?

A.はい。金額の大小にかかわらず、虚偽申請や領収書の偽造は詐欺罪・文書偽造罪などの対象です。
「少額だから問題ない」という考えは非常に危険で、税務上も否認・追徴課税の対象になります。

Q2. 仮払金が精算されず残っていると、何が問題ですか?

未精算の仮払金は、税務署から「実態のない支出」と判断されることがあります。
長期間放置されている場合、損金不算入・追加課税・横領と見なされるリスクにつながります。

Q3. 電帳法対応は必須でしょうか?

義務化されているわけではありませんが、紙とデータが混在した管理は証憑不備の原因になりやすく、不正防止の観点からも非効率です。
電子保存に統一することで、証跡の一貫性が向上し、監査・税調対応も容易になります。

Q4. Teamsだけで経費精算を回すのは難しいですか?

チャットや共有で情報は回せますが、証憑の一元管理・仮払金の残高管理・二重計上のチェック・承認履歴の保存などは、Teamsだけでは仕組み化が難しい部分です。
不正防止のためには、専用システムとの併用が有効です。

まとめ

経費精算の不正は、企業にとって単なる内部トラブルではなく、税務否認や追徴課税、重加算税、さらに刑事罰にまで及ぶ重大なリスクを伴います。特に、仮払金の放置や証憑の不備、領収書の改ざんなどは、税務調査で確実に指摘されやすい領域です。

不正を未然に防ぐためには、まず経費規程を整え、承認フローを透明化し、証憑管理を徹底することが重要です。そのうえで、内部監査を継続的に実施し、組織として不正が起きにくい環境を維持し続ける必要があります。

こうした体制を安定して運用するには、仕組み化が欠かせません。申請内容や証憑、承認履歴を一元管理し、不備や二重計上を自動でチェックできる環境が整えば、人に依存した曖昧な運用から脱却できます。

ジュガールは、証憑管理や承認の可視化、仮払金の整理、Teamsとの連携など、経費精算のリスクを減らすうえで必要な基盤をシンプルに整えられる仕組みです。経費精算は「ルール」と「運用」と「仕組み」の三つがそろって初めて安定します。企業の信頼を守るためにも、不正が起きにくい運用体制を整え、継続的な改善につなげていきましょう。

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