【使い方まで!】稟議関連用語集|日常シーンでの使い方を解説!

稟議という言葉を聞いても、初めて聞く方やこれからビジネスの世界に足を踏み入れる方には少し難しく感じるかもしれません。しかし、稟議は企業や組織での決定を行う際に非常に重要なプロセスです。今回は、稟議手続きに関連する基本用語を、初心者にも分かりやすいように解説します。

稟議プロセスの基本的な特徴

稟議は、日本独自の合意形成と実行の手続きです。業務担当者・責任者がボトムアップで提案を行い、社内の関係者に合意形成を行うとともに、経営(取締役・取締役会)からの承認を求めます。一度承認を得られたものについては、今度はトップダウンで実行指示となり、稟議の起案者は実行責任を果たさなければなりません。

稟議を上げる(稟議をあげる)

「稟議を上げる(あげる)」とは、自分の提案やアイデアを稟議書としてまとめ、上司や関連部門に提出し、承認を求める行為です。これは、新しいプロジェクトを始めたり、新しい取引先との契約を締結したり、会社に対して様々な提案を行うために必要な手続きです。簡単に言えば、自分の考えを公式に伝え、支持を得るための第一歩です。

使用例
Aさん: 「Bさん、新しいマーケティングキャンペーンの提案書をまとめました。ご確認いただけますか?」
Bさん: 「もちろん、見せてください。内容はしっかりしているね。ただ、予算の内訳をもう少し具体的にしてもらえるかな?」
Aさん: 「はい、すぐに修正します。修正後、再度ご確認いただけますか?」
Bさん: 「もちろんだよ。提案書が完成したら、稟議を上げる手続きを始めましょう。」
Aさん: 「わかりました。修正が終わり次第、稟議を上げる準備を進めます。」
Bさん: 「よろしくお願いします。稟議を上げる際には、関連部門の意見も集めておくとスムーズに進むから、その点も忘れずに。」
Aさん: 「はい、ありがとうございます。しっかり対応します。」

稟議が下りる(稟議がおりる)

稟議が下りる(おりる)」とは、提出された稟議書が承認され、自分の提案やアイデアが実行段階に移ることを意味します。これは、あなたの提案が上司や組織に認められ、前進することが許可された状態を指します。まるで、信号が青に変わり、進むことができるようになる感覚です。この後は、提案内容に対する実行責任を果たしていかなければなりません。

使用例
Aさん: 「Bさん、聞いてください。新しいプロジェクトの稟議が下りたんですよ!」
Bさん: 「本当ですか?それは良かったですね!プロジェクトの準備は順調ですか?」
Aさん: 「はい、稟議が下りたので、早速準備を進めています。予算も確保できたので、スムーズにスタートできそうです。」
Bさん: 「それは素晴らしいですね。何か手伝えることがあったら言ってください。」
Aさん: 「ありがとう、助かります。特に、最初のプレゼンテーションの準備を手伝ってもらえると助かります。」
Bさん: 「もちろんです。稟議が下りたからには、全力でサポートしますよ。」

稟議を回す(稟議をまわす)

「稟議を回す(まわす)」とは、提出した稟議書を関連する部門や人々に周知し、意見や承認を得るプロセスです。これにより、多角的な視点からのフィードバックを得ることができ、提案の質を高めることが可能になります。まるで、大切なお知らせをチーム全員に共有し、皆の意見を聞くようなものです。都度都度会議を開くと多くの人の時間を拘束してしまうことから、書類を回覧する中で関係者の意見を取り入れ、合意形成を行っていきます。

使用例
Aさん: 「Bさん、少しお時間よろしいでしょうか?」
Bさん: 「どうしたの、Aさん?」
Aさん: 「新しいマーケティング戦略の提案書をまとめました。稟議を回す前に確認していただけますか?」
Bさん: 「もちろん。見せてくれる?」
Aさん: 「こちらです。特に予算の部分とスケジュールを詳しく見ていただきたいです。」
Bさん: 「わかった、確認するよ。それと、稟議を回す際には各部門の承認を得る必要があるから、しっかり準備しておいてね。」
Aさん: 「はい、承知しました。各部門の承認を得るためにも、きちんと準備します。ありがとうございます。」
Bさん: 「任せて。いい内容に仕上げて、スムーズに稟議を回そう。」

稟議を通す(稟議をとおす)

稟議を通す(とおす)」とは、稟議書が承認されるように努力し、最終的に承認を獲得する行為です。これは、提案を実現させるために必要なプロセスで、関係者を説得し、必要なサポートを集めるための活動を含みます。提案者としては、自分のアイデアが実現に向かって進むように粘り強く努力することが求められます。

使用例
Aさん: 「Bさん、ちょっと相談したいことがあるんだけど。」
Bさん: 「どうしたの、Aさん?」
Aさん: 「実は、新しいプロジェクトの稟議を通すためにどんな方策を取るべきか悩んでいてね。何かアドバイスがあれば教えてもらいたいんだけど。」
Bさん: 「なるほど。それなら、まずはしっかりとしたデータと根拠を用意することが大事だね。予算の詳細や期待される成果を明確に説明できるようにするのがいいと思うよ。」
Aさん: 「確かに、それは基本だよね。あと、他に何か注意するポイントはあるかな?」
Bさん: 「そうだね。各部門の意見を事前に聞いて、彼らの承認を得ておくとスムーズに進むよ。特に、影響を受ける部門の協力が必要だと説得力が増すからね。」
Aさん: 「それはいいアイデアだ。関連する部門に事前に話をして、彼らのサポートを取り付けるようにするよ。」
Bさん: 「最後に、上層部に対しては、プロジェクトのリスク管理やリターンについても詳しく説明することが重要だね。リスクを減らす対策があれば、稟議を通しやすくなるはずだよ。」
Aさん: 「ありがとう、Bさん。とても参考になったよ。これでしっかり準備して、稟議を通すために頑張るよ。」
Bさん: 「頑張ってね、Aさん。何か手伝えることがあればいつでも言って。」

稟議が通る(稟議がとおる)

稟議が通る(とおる)」とは、提案された稟議が全ての必要な承認を経て、正式に実行が許可される状態を指します。これは、あなたの提案が完全に受け入れられ、具体的な行動に移すことができる段階に至ったことを意味します。一連のプロセスを経て、ようやく成果が形として現れる瞬間です。

使用例
Aさん:
「Bさん、ちょっと時間いいかな?」

Bさん: 「もちろんです、Aさん。どうされましたか?」
Aさん: 「先日提出した新しい営業戦略の稟議が通ったよ。」
Bさん: 「本当ですか?それはよかったですね!」
Aさん: 「うん、これで計画を進められる。次は実行に移す段階だね。」
Bさん: 「そうですね。チームと一緒に具体的なスケジュールを立てて、早速取り掛かります。」

稟議にかける

稟議にかける」とは、特定の提案を稟議プロセスを通じて承認を得るために提出することです。これは、あなたのアイデアや提案を正式に評価してもらい、承認を得るために必要な手続きを開始することを意味します。具体的には、あなたが思い描くプランや変更点を、組織内の決定権を持つ人々に公式に提示し、その承認を得るためのステップです。稟議にかけることで、提案が公式な検討の対象となり、実行に向けての第一歩を踏み出すことになります。

使用例
Aさん: 「Bさん、新しいプロジェクトの提案書をまとめたんですが、この内容で大丈夫でしょうか?」
Bさん: 「見せてください。うん、よくできてるね。でも、もう少し予算の詳細を追加した方がいいかもしれない。」
Aさん: 「了解しました。修正してもう一度確認していただきます。」
Bさん: 「そうしてくれると助かるよ。内容が固まったら、これを稟議にかけるので、しっかり準備しておいてね。」
Aさん: 「はい、ありがとうございます。早速修正に取り掛かります。」
Bさん: 「よろしく。稟議にかけるときは、他の部門からの意見も求められるから、しっかり対応できるようにしておいてね。」
Aさん: 「わかりました。しっかり準備します。」

稟議に諮る(はかる)

稟議に諮る」とは、提案や計画について、上司や関連する意思決定者から意見やアドバイスを求めることを指します。これは、単に承認を得るだけでなく、より良い決定をするために経験や知見が豊富な人々の意見を聞き、考慮に入れるプロセスです。稟議に諮ることで、提案がより洗練され、実行時の成功率を高めることができます。

使用例
Aさん: 「Bさん、ちょっとお時間よろしいでしょうか?」
Bさん: 「どうしたの、Aさん?」
Aさん: 「新しい営業戦略の提案書をまとめたのですが、これを稟議に諮る前に確認していただけますか?」
Bさん: 「もちろん。見せてくれる?」
Aさん: 「こちらです。特に市場分析の部分を詳しく見ていただきたいです。」
Bさん: 「わかった。内容を確認してフィードバックするよ。それと、稟議に諮る前に他の部門の意見も聞いておくといいよ。」
Aさん: 「ありがとうございます。各部門の意見も集めておきます。」
Bさん: 「いいね。しっかり準備して、稟議に諮れるようにしよう。」
Aさん: 「はい、ありがとうございます。よろしくお願いします。」

回付(かいふ)

回付は、ある文書や案件を特定の担当者や部門に渡して処理を依頼することを指します。回付された文書には、上司や担当者が内容を確認し、必要な処理や対応を行うための指示やコメントが付けられることが多いです。

回覧(かいらん)

回覧は、特定の文書や情報を複数の関係者に順番に回して閲覧させることを意味します。回覧の目的は、情報の共有や周知です。例えば、社内のお知らせや会議の議事録を関係者に回覧して確認させることが一般的です。

決裁(けっさい)

決裁は、上司や管理職が部下からの提案や申請を確認し、正式に承認することを指します。決裁は、企業内の重要な意思決定プロセスであり、書類に決裁印を押すことで承認を示します。例えば、予算の承認やプロジェクトの開始許可などが決裁に含まれます。

※決済(けっさい)

決済は、主に金銭的な取引の完了を意味します。具体的には、支払いや受取などの金融取引が終了することを指します。稟議の承認プロセスでは、「決裁」という用語が使われます。音が同じでややこしいですが、注意して用語を使用しましょう。

まとめ

稟議手続きは、一見複雑に思えるかもしれませんが、実際には組織内での効果的なコミュニケーションと意思決定を支援するための大切なプロセスです。適切に活用することで、自分のアイデアや提案をスムーズに進め、実現に近づけることができます。初心者の方でもこの記事を通じて、稟議手続きの基本を掴み、ビジネスシーンで活用できるようになることを願っています。

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