【保存版】必ず承認される稟議書の書き方|成功の秘訣を紹介!

一定以上の規模の企業において、稟議は重要なロセスです。新規プロジェクトの立ち上げ、高価な資産の購入、新しい人材の採用など、重要な決定を行う際に、稟議書が使用されます。このページでは、効果的な稟議書の作成方法と承認をスムーズに得るための考え方を紹介します。

稟議書の項目|稟議書の書き方の基本

稟議書で一般的に必要になる項目は、以下のような内容です。社内でフォーマットが決められている場合もあります。

  • 決裁区分「可決」「条件付き認可」「保留」「差戻し」「否決」
  • 起案日・決裁日
  • 承認欄(関係者がサイン・押印できる欄)
  • 起案部署・起案者氏名
  • 件名・タイトル
  • 稟議の目的
  • 稟議の内容
  • 発注先・契約先
  • 添付書類

承認される稟議書の書き方を解説!

多忙な承認者/決裁者の立場に立って、簡潔で分かりやすい説明を心掛けることと、経営者の視点に立って、提案の実行内容だけでなく、得られるリターンや、実行上のリスクまで説明することがポイントです。

明確な目的と具体的な内容の提示

稟議書は、提案の内容、目的、必要な費用、期待されるリターン、潜在的リスクを具体的かつ明確に記述する必要があります。これにより、承認者は提案の全貌を把握しやすくなります。

  • 提案の内容: 何を提案しているのかを簡潔に述べる。
  • 目的: 提案の目的を明確にし、それが組織やプロジェクト全体にどのように貢献するのかを説明する。
  • 必要な費用: 提案の実行に必要な予算や資源を具体的に示す。
  • 期待されるリターン: 提案が実行された場合に得られる具体的な利益や効果を数値で示す。
  • 潜在的リスク: 提案の実行に伴う可能性のあるリスクと、それに対する対応策を明示する。

承認される稟議書の書き方のポイント

① 提案者の信頼性の構築

提案者の過去の成果や信頼性は、稟議書の承認に大きく寄与します。提案者が信頼されていると、その提案も自然と支持されやすくなります。

  • 過去の成果: 提案者が過去に達成した具体的な成果を挙げ、信頼性を高める。
  • 専門知識: 提案者の専門知識や経験が今回の提案にどのように活かされるか。
  • チームの信頼性: 提案をサポートするチームのメンバーの資格や実績も重要です。

② 結果を先に述べ、支持論を後に展開

稟議書の冒頭で結論を提示し、その後で支持する論拠や詳細を説明することで、承認者の注意を引き、理解を深めることができます。

  • 結論を冒頭に: 稟議書の冒頭に提案の結論を述べ、承認者に主旨を明確に伝える。
  • 論拠の展開: 結論を支持する具体的なデータや事例を後に続け、詳細な説明を加える。

③ 具体的な数値による効果の説明

提案の効果を具体的な数値やKPIで示すことで、その価値を説得力あるものにします。

  • 売上増加予測: 「新製品の市場投入により、次年度の売上が2,000万円増加する見込みです。」
  • コスト削減効果: 「新しいソフトウェアの導入により、年間運用コストを300万円削減します。」
  • 投資対効果: 「プロジェクトに1,000万円投資し、年間でROIが120%達成される見込みです。」
  • プロジェクト期間: 「全体のプロジェクト期間は12か月で、主要なマイルストーンとして6か月後に試作品の完成を予定しています。」
  • 市場シェア予測: 「提案の実行により、現在の市場シェアを3%から8%に引き上げることが目標です。」
  • KPI: 「顧客リピート率を25%から35%に向上させることをKPIとして設定しています。」
  • リスク評価: 「主要なリスクとして、供給遅延の確率を5%と見積もり、発生した場合の影響は売上の5%減少と予測します。」
  • ベンチマーク: 他の成功事例や業界標準と比較することで、提案の有効性を裏付ける。

④ リスクの明確化と管理計画の提示

潜在的なリスクとそれに対する対策を具体的に記載し、承認者がリスクを理解しやすくすることが重要です。

リスクの特定: 潜在的なリスクを具体的に記述し、その影響を評価する。

  • リスクの種類: プロジェクトに関連するさまざまなリスクを特定します。
  • リスクの発生確率: リスクが発生する可能性を数値化します。
  • リスクの影響度: リスクが発生した場合の影響度を評価します。

リスク管理計画: リスクを軽減するための具体的な対策や管理計画を提示する。

  • リスク軽減策: リスクを予防・軽減するための具体的な対策を講じます。
  • 対応計画: リスクが発生した場合の対応計画を策定します。
  • モニタリング: リスクの発生状況を定期的にモニタリングします。

⑤ プレゼンテーションと情熱の伝達

稟議書の提案を行う際は、情熱をもってプレゼンテーションを行い、プロジェクトへのコミットメントを明確に示すことが効果的です。

  • プレゼンテーション技術: 視覚的な資料やプレゼンテーションスキルを駆使して、提案の魅力を伝える。
  • 情熱の表現: 提案に対する強い意欲やコミットメントを示し、承認者にその価値を感じさせる。

稟議書が通らない主な原因とその対策

担当者の目線に留まり、実行内容だけを記載している稟議書は通りません。経営者目線に立って、提案を実行することによって得られるリターンや、実行上のリスクを説明できるようにしましょう。

基本項目の不足

稟議書が必要とするすべての基本項目(内容、目的、費用、リターン、リスク)を網羅していないと、承認者に提案の全貌が伝わりません。事前にこれらの項目が完全に記載されているかを確認しましょう。

リスク評価と対策の不足

リスク部分については、特に詳細に説明し、それに対する具体的な対策を記述することが必要です。単にリスクを挙げるだけでなく、それにどう対処するかも明確にする必要があります。

リターンの説明が不十分

提案におけるリターン、つまり投資から得られる具体的な利益や成果が不十分に説明されている場合、稟議書は承認されにくくなります。経済的、戦略的利益を明確に示し、投資対効果を数値を用いて示すことが重要です。

文章が長くてまとまりがない

長くて複雑な文章は、承認者にとって理解しづらく、興味を失わせる原因になります。一文一文を簡潔に保ち、ポイントを明確にすることが効果的です。専門用語の使用は最小限に抑え、可能な限り平易な言葉で表現しましょう。

稟議書の承認を成功させるための追加のヒント

適切な事前調整(根回し)を行う

承認/決裁を求める相手は人間であり、かつ多くの場合で目上の立場にある人です。役所的な手続きで承認を求められると警戒感が増し、丁寧な説明を受ければ信頼感が増します。提案について早い段階で意見を求め、調整を行うことで、承認プロセスがスムーズに進みます。

  • 早期のコミュニケーション: 提案が具体化する前に、承認に関係する上長に相談し、意見交換を行います。これにより、彼らの関心や懸念を事前に把握し、提案内容に反映させることができます。
  • 意見の取り入れ: 承認者から得たフィードバックを稟議書に反映させることで、提案がより受け入れられやすくなります。
  • 信頼関係の構築: 丁寧な説明と配慮を持って承認者と接することで、信頼関係を築き、提案の信頼性を高めます。

早めの提出とスケジューリング

稟議書のプロセスは時間がかかることが多いため、可能な限り早めに提出し、承認プロセスに必要な時間を見積もることが重要です。また、承認者のスケジュールを考慮し、重要な会議や出張の前に提出することで、適切なタイミングでの検討が行われます。

  • タイムラインの設定: 稟議書の提出から承認までのタイムラインを明確に設定し、各ステップに必要な時間を見積もります。
  • スケジュールの考慮: 承認者のスケジュールを事前に確認し、繁忙期や重要なイベントの前に提出することで、十分な検討時間を確保します。

明確なコミュニケーションとフォローアップ

提出後のフォローアップは、稟議書が適切に扱われ、必要な場合には追加情報が提供されることを保証します。疑問点や懸念に対して迅速に対応することで、承認プロセスを加速させることができます。

  • 定期的なフォローアップ: 提出後、定期的に承認者に進捗状況を確認し、必要なサポートを提供します。
  • 迅速な対応: 承認者からの質問や懸念に迅速かつ的確に対応し、必要な追加情報を提供します。
  • 透明性の維持: 承認プロセスの透明性を保ち、承認者に安心感を与えます。

ワークフローシステムの活用

稟議のデジタル化は、プロセスの効率化に大いに貢献します。ワークフローシステムを活用して稟議書を管理し、履歴の追跡や迅速な情報共有が可能になります。これにより、書類の紛失や情報の非効率な伝達が減少します。

  • デジタル化の推進: 稟議書の提出から承認までのプロセスをデジタル化し、効率的に管理します。
  • ワークフロー管理ツール: 例えば、Asana、Trello、Jiraなどのワークフロー管理ツールを活用し、タスクの進捗をリアルタイムで追跡します。
  • ドキュメント管理: クラウドベースのドキュメント管理システムを使用して、稟議書のバージョン管理やアクセス権限を適切に管理します。

実績のアピールとケーススタディの利用

過去の成功事例や類似の案件での成果を稟議書に含めることで、提案の信頼性を高め、承認者に安心感を与えることができます。具体的な実績やケーススタディを引用することで、提案の有効性を具体的に示すことが可能です。

  • 成功事例の紹介: 過去のプロジェクトでの成功事例を紹介し、提案が実行可能であることを示します。
  • 具体的なデータの提供: 成功事例における具体的なデータや成果を示し、提案の有効性を裏付けます。
  • ケーススタディの引用: 業界や競合他社での類似の成功事例を引用し、提案が広く認められている手法であることを示します。

まとめ

稟議書は、企業の決定プロセスにおいて重要な役割を担います。承認を得るためには、明確かつ具体的な情報提供が必要であり、プロジェクトの成功に向けての説得力あるプレゼンテーションが求められます。効果的な稟議書は、具体的な数値データを用いて提案の利益を示し、潜在的リスクに対しては明確な管理策を提示する必要があります。

事前の準備として、関係者との根回しを行い、提案内容に対する支持を広く集めることも重要です。このプロセスにおいては、承認者のスケジュールや利害関係者の意見も考慮に入れ、可能な限り事前に調整を進めることが効果的です。また、デジタルツールを利用して稟議書の作成から承認プロセスを効率化することで、迅速かつ正確な決定を促進することが可能です。

最終的に、稟議書の成功は、内容の質だけでなく、そのプレゼンテーションと事前の調整に依存するため、これらの要素を総合的に考慮したアプローチが必要とされます。若手社員でも早い段階からこれらのスキルを身につけ、効果的な稟議書の作成能力を養うことが、キャリアの発展にとって重要です。稟議書を通じて、プロジェクトの成功だけでなく、個人の成長と職場での信頼を築く機会としても活用しましょう。

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