稟議と決裁の違いを徹底解説!効率化のポイントも紹介

社内での決定プロセスは、多くの場合、複雑な手続きを伴います。特に「稟議」と「承認」、「決裁」という用語は業務上よく耳にするものの、その具体的な違いについては混同されがちです。この記事では、稟議と承認、決裁の基本的な違いから、それぞれのプロセスの詳細、さらには効率化する方法について詳しく解説していきます。 

稟議(りんぎ)とは何か?

稟議(りんぎ)とは?

稟議(りんぎ)」とは、一般的に従業員が提案や要望を上長や関連部署に承認を求めるためのプロセスです。例えば、新しいプロジェクトの開始、高額な機材の購入、重要な契約の締結など、事前の検討と承認が必要な場合に稟議が行われます。このプロセスには、通常、複数の承認者が関与し、それぞれの意見や承認が求められることが一般的です。 

稟議書(りんぎしょ)とは?

「稟議書(りんぎしょ)」とは、日本の企業や組織において、重要な意思決定を行うために用いられる文書のことです。稟議書は、特定の提案や計画を承認してもらうために、関係者や上級管理職に回覧されます。企業によっては、汎用の稟議書のフォーマットを使用する場合や、目的に合わせた個別のフォーマットを使用する場合があります。 

稟議の目的

稟議の主な目的は、組織内の意思決定を効果的に行うために、多角的な視点からの検討を経て合意形成を図ることにあります。

決裁(けっさい)とは何か?

決裁(けっさい)とは?

「決裁(けっさい)」とは、特定の計画や提案が正式に承認され、実行に移されるための手続きです。このプロセスは、組織の透明性と効率性を確保し、リスク管理を行うために重要です。決裁プロセスを経ることで、企業内のあらゆるレベルの計画やプロジェクトが体系的に評価され、承認されます。

決裁者(けっさいしゃ)とは?

「決裁者(けっさいしゃ)」とは、企業内で決裁権を持ち、特定の提案や計画を承認する権限を持つ人物を指します。決裁者の役割は、提案内容を評価し、企業の方針や目標に照らしてその適否を判断することです。 

決裁権(けっさいけん)とは?

「決裁権(けっさいけん)」とは、提案や計画に対して承認・拒否の決定を下す権限を指します。決裁権は企業の階層構造に基づいており、権限の範囲は職位や役職によって異なり、職務権限規程などによって定められています 

稟議と承認、決裁の違いは何?

承認と決裁の役割

決裁は、稟議によって検討された提案や計画に対して、最終的な承認を行うプロセスです。決裁は主に、最高責任者や指定された決裁権を持つ人が行います。決裁者は提案された内容が組織の方針や利益に合致するかを判断し、承認または拒否の決定を下します。この決裁により、プロジェクトは正式に進行許可を得るか、必要な修正が指示されます。 

稟議と決裁の違い

稟議と決裁の主な違いは、その機能と関与する人々にあります。稟議は広範な検討と意見集約を目的とし、複数の部署や層からの承認を必要とします。一方で、決裁は最終的な承認を意味し、通常は少数の決定者によって行われます。簡潔に言えば、稟議は「検討と提案」の段階であり、決裁は「最終承認」の段階と言えるでしょう。

項目稟議決裁
定義提案や計画を関係者に回覧し、意見や承認を求めるプロセス提案や計画に対して最終的な判断を下し実行を許可するプロセス
目的合意形成、透明性の確保、リスク管理、意見収集最終判断の明確化、責任の所在の明確化、実行の許可
プロセス関係者に稟議書を回覧し、意見や承認を得る稟議・承認を経た提案に対して最終的な判断を行う
主な関係者提案者、チームリーダー、部門責任者、関連部門のメンバー最高責任者(CEO、取締役、その他決裁権を持つ人)
結果複数の意見や承認が集まり、次のステップに進むための準備が整う提案が正式に承認され、実行に移される
特徴複数の意見を反映し、広範な合意を形成することを目的とする最終的な承認を意味し、提案を公式に実行することを目的とする
新プロジェクトの提案を部門内で回覧し、意見や承認を集める新製品ラインの立ち上げをCEOが最終的に決定する

稟議の流れ

稟議を行うタイミング

稟議は事前に行うのが基本です。実行予算や実行計画の承認を得るためには、行動を起こす前に稟議書を提出し、上層部の承認を得る必要があります。 

稟議に関係する人は誰?

作成者稟議書を作成する人です。起案者の部下などの場合もあれば、起案者自身の場合もあります。 多くの場合、提案内容について実務で最も深くかかわる人が作成します。
起案者稟議書の責任者です。通常、提案内容の実行責任者が起案者となります。 決裁者や合議者が差し戻す場合は、作成者ではなく起案者に差し戻します。
事前協議先稟議規程上の合議先以外で、事前に調整すべき部門があれば、起案前に確認します。 起案前に調整した結果を稟議書に記載します。
合議者稟議の内容によっては、複数部署に関わる場合や、決裁者単独では判断できない専門的な事項を含むため、その場合は稟議規程により合議先が決められています。決裁者より先に回付し、承認を求めます。
決裁者会社の意思決定や判断を行う役割を担うため、原則として経営陣(取締役)がすべての稟議を確認し、全員が承認された形で決裁となります。ただし、すべての案件を稟議事案とすると確認すべき事項が膨大になるために、案件の内容によって、業務プロセスやルールを「稟議規程」に定めた上で、代表取締役や執行役員、部長等へ権限移譲する場合があります。
総務部門稟議書を受け付け、また、管理台帳での管理を行います。(受付時…タイトル、申請日の記入 決裁終了時…決済日の記入、ファイリング) 経営企画部門などが行う場合もあります。
内部監査取締役の職務遂行を監督するのが内部監査の役割であり、稟議プロセスが正しく行われるかをチェックする役割を担います。稟議のワークフロー上は登場しませんが、稟議全件を閲覧する権限があります。

稟議の流れ

稟議の承認プロセスは企業によって異なりますが、基本的な考え方は以下の通りです。 

A:「稟議書」として1つの書類書式で管理する場合  
 ・稟議の起案権限は通常部門長が持ち、部門内の別の人(課長等)が稟議書を作成する場合
  でも、必ず部長が稟議起案についての責任を持ちます。  
 ・承認は、主に経営陣(取締役、執行役員など)によって行われます。 

B:「採用稟議書」「物品購入稟議書」のように、目的に応じて細分化する場合  
 ・「申請」と同じく、内容に応じて決裁者については権限委譲を行い、課長に起案権限を持
  たせたり、部長に決裁権限を持たせたりすることがあります。  
 ・ただし、一通りの関係者の確認・承認を要するという意味で「申請」とはタイトルを変え
  「稟議書」としていると考えられます。 

A、Bいずれの場合も基本的に、案件の内容や金額に応じた決裁者・合議者および合議順が稟議規程として定められており、それに則って回付・決裁が行われます。   

ワークフローとの関連性

稟議と決裁はワークフローシステムにおいて重要な位置を占めます。ワークフローシステムを導入することで、稟議と決裁のプロセスがデジタル化され、透明性が高まり、効率が向上します。電子化されたシステムを使用することで、文書の追跡が容易になり、どこでプロセスが停滞しているのかが明確になるため、迅速な対応が可能となります。 

稟議と決裁の効率化のポイント

社内の稟議・決裁プロセスの効率化を図るには、以下のようなアプローチが有効です: 

  1. プロセスの明確化と簡素化: 稟議と決裁のプロセスを明確にし、不要なステップや複雑性を削除します。これにより、文書の流れがスムーズになり、承認待ちの時間が短縮されます。 

  2. 電子化と自動化: ワークフローシステムの導入により、稟議書や申請書の電子化を進め、手続きの自動化を図ります。これにより、紙ベースの手続きで生じがちな入力ミスや紛失のリスクが減少し、効率的な文書管理が可能になります。 

  3. 承認ルートの最適化: 承認者の過多はプロセスを遅らせる一因です。承認ルートを見直し、必要最小限の承認者に絞ることで、迅速な決裁が期待できます。 

  4. 透明性の向上: 承認プロセスの透明性を高めることで、全員が現在のプロセスの状況を把握しやすくなります。これにより、どこで停滞しているのか、またはどの承認が済んでいないのかが一目で分かるようになります。 

  5. 継続的な評価と改善: ワークフローシステムを活用してプロセスデータを収集し、定期的に評価と改善を行います。これにより、非効率な点を迅速に特定し、持続的なプロセス改善を推進します。 

まとめ

稟議と決裁は、組織内の意思決定プロセスの中核をなす重要なステップです。それぞれの段階で求められる役割の理解と、これらのプロセスの効率化は、企業の運営効率を大きく向上させることができます。特にデジタルツールやワークフローシステムの導入による電子化は、現代のビジネス環境においてほぼ必須と言えるでしょう。各企業は、自社の特性に合わせた最適な稟議・決裁プロセスを設計し、組織全体のスムーズな運営を目指すべきです。 

ジュガールワークフローで稟議プロセスを効率化しよう

社内の稟議と決裁プロセスの効率化は、組織全体の生産性向上に直結します。ジュガールワークフローは、これを実現するための最適なソリューションです。

以下では、ジュガールワークフローの優れた機能と、その利点についてご紹介します。

稟議プロセスを加速する機能

ジュガールワークフローは、稟議プロセスを迅速かつ効率的に進めるための多彩な機能を備えています。 

  • 既存の稟議書フォーマットを活用できる: これまで使用していた稟議書フォーマットをそのまま使用できるため、新しいシステムに慣れる必要がありません。A4やA3サイズの書類で簡潔に提案内容を把握しやすくなります。 

  • 決裁ステータス管理: 決裁番号の発番や、決裁後の書類内容の変更禁止機能により、プロセスの透明性と信頼性を確保します。これにより、正しい稟議プロセスを維持できます。 

  • きめ細かな権限設定: 作成者、承認者、閲覧者などの権限を詳細に設定できるため、大企業でもスムーズに運用できます。 

  • 多段階の承認分岐と承認スキップ機能: 複雑な承認フローも柔軟に設定可能で、役職者不在時の承認スキップ機能により、承認プロセスが滞ることを防ぎます。 

承認者にやさしい機能

ジュガールワークフローは、特に多忙な承認者にとって使いやすい機能を提供しています。

  • リマインドメール: 承認が必要な事項を忘れないようリマインドメールを送信し、承認プロセスを迅速化します。
     
  • スマホアプリ: AndroidとiOSに対応したスマホアプリを使用すれば、どこからでも稟議フローを確認・承認できます。メールアドレス不要で登録可能です。 

  • LINE WORKS/Teams連携: LINE WORKSやTeamsと連携し、メッセージアプリから直接申請の確認や承認・却下が可能です。 

ガバナンスとセキュリティの向上

企業ガバナンスの強化もジュガールワークフローの重要な特徴です。

  • 権限設定と操作ログ: 細かな権限設定と操作ログの記録により、不正やリスクを防ぎ、透明性を高めます。 

  • 高度なセキュリティ: 最新の認証技術を採用し、SSOやIPアドレス制限にも対応しています。 

ワークフローの自動化と柔軟性

ジュガールワークフローは、柔軟な設定と自動化機能で、どんな業務にも対応します。

  • 申請フォーム作成: ドラッグ&ドロップで簡単に申請フォームを作成できます。高度な自動化機能で、紙よりも効率的に稟議フローを進められます。
  • API/WEBHOOK連携: 既存の社内システムに柔軟に組み込むことができ、ワークフロー機能を個別に開発する必要がありません。
  • 組織管理: 年度・随時の組織変更にも対応でき、事前にスケジュール予約して設定可能です。

ジュガールワークフローを導入することで、稟議と決裁のプロセスを大幅に効率化し、組織全体の生産性向上を実現できます。ぜひこの機会に、ジュガールワークフローの無料トライアルをお試しください。詳細な資料請求やオンライン相談も受け付けていますので、お気軽にお問い合わせください。